そこで、レトロ系自販機の第一人者で「昭和懐かし自販機巡礼」(辰巳出版)などの著作がある写真家・文筆家の魚谷祐介氏に、全国で見つけた懐かしくも希少な「謎の自販機ベスト30」を、多数の写真とともに紹介してもらった。
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筆者が全国で見つけた懐かしくも希少な「謎の自販機ベスト30」を全て写真付きで紹介する(写真は筆者提供)
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30位「コスモス自販機」
「全身真っ赤の筐体が印象的な謎の自販機で、100円~300円程度でコピー品や怪しい景品を販売していた。現代の『1000円自販機』の先祖のような存在。著作権を無視したロッチ騒動など社会問題に発展したこともあった。80年代に最盛期を迎え玩具店や文具店、駄菓子屋などの店先によく設置され子供たちに大人気だった。現在では北関東を中心に数十台が生き残っている」(魚谷氏、以下同)
29位「汎用機」
「冷蔵機能もある回転式ロッカー型の自販機で、食品や惣菜、菓子パンなどを販売していることが多い。コインを入れて購入ボタンを押すとドアを開けて商品を直接取ることが出来る。しかし8秒後には強制的に閉まってしまう!という恐ろしい仕様で、モタモタしていると商品を取り損ねてしまうなんてこともあった」
28位「スキン自販機」
「子供のころ『明るい家族計画』の意味がわからず、小さなこの自販機で何を売っているのかずっと謎だった。コンビニがまだ全国に無かった昭和の頃、夜中に急に家族計画を実行したくなったカップルの救世主だったのがこのスキン自販機である。コンビニでいつでも買える現代からは想像もできないが、昔は薬局などで対面で買うのが恥ずかしい人にも重宝された」
27位「手袋自販機」
「自販機で手袋なんて売れるのだろうか?と思うかもしれない。岩手県矢巾町の『岩手トラックターミナル オートスナック24』で発見した手袋自販機は作業員や運転手に需要があるのだろう。私は全国を旅してレアな自販機を探しているが、その他では徳島県阿波市の『コインスナック御所24』の片隅でひっそりと稼働しているのを見たくらいだ。需要があれば、時には無くても何でも自販機で売ってしまう気概があった時代が日本にはあった」
26位「乾電池自販機」
「現代ではほとんど見かけなくなったが、大型電気店など無かった昭和の時代には町の電器屋さんの前によく置かれていた。今ではバッテリーといえば充電式が当たり前だが、当時は乾電池が基本だった。松下電器のブランド『ナショナル』も懐かしい。写真の自販機は岡山県高梁市の『自販機コーナータニモト』で稼働している一台」
25位「カップヌードル自販機」
「カップ麺の自販機はまだ全国を探せば観光施設や道の駅などで稼働しているものもある。写真のものは初代の機械で、当時最先端のファッションとして売り出したカップヌードルの時代性を感じさせるデザインとなっている。
初代機の凄いところは、蓋をしたままのカップヌードルを給湯部に入れると、管が上から降りてきて蓋をグサッと突き破って給湯するというダイナミックな機構だった。埼玉県久喜市の『オートパーラーまんぷく』では2台並んで稼働する姿が現在でも見られる」
24位「タバコ自販機」
「現代では考えられないことだが、誰でもが自販機でタバコを買える時代があった。子供の頃、こづかい目当てに父のタバコを買いに行った記憶がある。昔はタバコの税金も安く一箱200円前後だった。その後23時~5時は販売中止となり現在のタスポに至るまで自販機はどんどんハイテク化されてきた」
23位「エロ本自販機」
「昭和の頃は街中にも堂々と置いてあったりしたエロ本の自販機。ミラーガラスになっていて昼間は商品が見えない。寝静まった夜中、人目を忍んで自販機の前に立つとやっと商品が見える。いざ決定してボタンを押す、とブーッ、ガサンッなどと深夜に響く音とともに出てくる。無駄に度胸を試された青春の苦い思い出だ。期待して買った商品はカラーページも少ない残念なB級本だった。現在ではこの型の自販機はほとんど絶滅しとても珍しくなった。写真は秋田県八郎潟町の『ピットイン真坂』という、これまた昭和の懐かしいドライブインで発見した一台」
引用元: ・なぜこれを自販機に? 昭和レトロな「謎の自販機」ベスト30 生うどん、焼肉弁当、白米付きボンカレー、赤まむし、エロ本… [きつねうどん★]
「カップ麺や冷凍食品ではない本物の生麺の作りたての熱々を、何と25秒で調理し提供するという昭和のスーパーマシン。1975年から20年間の間に全国で約3000台が設置された。最盛期には駅やパチンコ屋、ゲームセンター、そして自販機だけが並ぶオートレストランなどで活躍した。
生麺の入った丼に熱湯が注がれ脱水機のように高速回転して湯切りを2回し、最後に出汁が入る。回転の勢いで具が飛び出してしまうこともあったがそれはご愛敬。現在でも全国に65台ほど生存しレトロ自販機ブームを牽引している。麺、出汁、スープ、具は各店独自の仕込みなので西と東の味わいの違いも楽しめる」
21位「ランチボーイ」
「弁当箱についたヒモを引っ張るとカイロのように発熱し調理済食品を温める仕組み。発熱体の容積のぶん中身が少ない割には600円前後と高価なものだった。平成の初めころに登場し廃れるのも早かった。2000年代以降は稼働しているのを見たことが無い」
20位「ポテルカ自販機」
「ポテルカという成形ポテト系のお菓子専用自販機。ナビスコチップスターよりアッサリした味だった。新潟県村上市の自販機コーナー『ペガサス』では現在でも稼働しており、パッケージのデザインは違うなれど同じ名前の商品が販売されている」
19位「ポップコーン自販機」
「ポップコーンの自販機はいくつかの種類があり、自販機内部の電子レンジでその場で調理する機種や、出来上がるまでのあいだ賑やかな音楽が流れる機種などがあり、現在でも稼働しているものが残っている。画像の自販機は最も古い機種で1970年代のまさにポップなデザインが今となっては味わい深い。自販機内で保温されたポップコーンが大きめの紙カップに盛られて出てくる仕組みだったが、現在では稼働しているものは残念ながら残っていない」
18位「ガム自販機」
「写真(1)は、1970年代から稼働してきた貴重な一台が、北海道帯広市の衣料品店に残っていたが閉店とともに消えてしまった。写真(2)は、島根県出雲市で発見した一台だがすでに非稼働だった。1990年代まではこれより新しいタイプの自販機も含めガム自販機は珍しくなかったが、最近ではほとんど見かけなくなった。クイッククエンチやコーヒーなどフレーバーも懐かしい」
17位「カップライス自販機」
「一見するとカップヌードル自販機と同じで、しかもこの自販機では今はカップ麺を販売しているという謎の状態だが、この自販機の珍しさは機種自体ではなく、パネルにある商品写真なのだ。今は見ることの出来ないカップライスのフルラインナップはとてもレアである。一緒に写っているカップヌードルカレーの初代デザインも懐かしい」
16位「酒自販機」
「無骨なデザインと渋いフォント、ツートーンのポップな色合いのカップ酒専用自販機。昭和のころは酒屋の店先などによく置かれていたものだった。やがて夜間の販売規制が始まりコンビニが台頭し24時間酒が買えるようになり酒の自販機は消えていった。見知らぬ土地を旅してこんな渋い自販機から地酒を買ってほろ酔い、なんていう粋なことはもう出来なくなった」
15位「瓶飲料自販機」
「1980年代には500mlや1000mlといった大型の瓶飲料があってそれらはペットボトルに取って代わられ絶滅した。現在では200mlの瓶飲料がかろうじて生き残っていて、この写真のような古いものだけで無く比較的新しい平成以降に作られた機種も稼働しているところがある。現代では自販機に備えられた栓抜きの使い方を知らない若者もいるという。缶より瓶のほうがおいしいとよくいわれるが、それはアルミとガラスの熱伝導率の違いで、瓶は飲み口まで冷えているからである」
14位「カップフーズ自販機」
「カップ麺の自販機だが食欲をそそるオレンジ色とパネルのレトロなデザインが1980年代を思い出させる。カップヌードル自販機に比べると圧倒的に台数が少なくレアな機種だが、現在では稼働している個体は残念ながら無い」
「いかにも精力がつきそうな『赤まむし』という栄養ドリンク専用の自販機だ。1980年代の飲み屋街などの片隅やトラック野郎が集うドライブインやオートレストランによく置かれていた。漢方をイメージさせるような赤地に金色のフォントと龍の姿が渋いデザインになっている」
12位「ビール自販機」
「広島県の三段峡付近で発見したアサヒビール自販機。古い酒屋さんの前に置かれていたがすでに非稼働となっていた。商品写真すら無いブランドロゴ一発という潔いデザインが渋い。1970年代から設置されていたが現在は撤去されている。サッポロビール自販機は1980年代後半の機種で現在も新潟県新潟市の『ポピーとよさか』というゲームセンターで活躍中だ。酒自販機と同様に現代ではほとんど絶滅したビール自販機。酒類を自販機で気軽に買えていた時代が懐かしい」
11位「ハンバーガー自販機」
「コインを入れてボタンを押すと、冷蔵されたハンバーガーが中の電子レンジで温められ、1分後に持てないほど熱い紙箱に入った商品が出てくる。マクドナルドが初めて日本でオープンした1971年に登場し、最盛期の80年代には全国のサービスエリアや当時流行していたゲームセンターやボウリング場、そしてスイミングプールなどで沢山の自販機が活躍していた。現在では10台ほどがオートレストランなどで生存しているが、特に群馬県に多く残っている。
ハンバーグでおなじみのマルシンフーズが製造していた『グーテンバーガー』はチーズバーガーやテリヤキバーガーもあり特に人気が高かった。200円ほどで手軽に買えるアツアツのハンバーガーは意外においしかった。子供心に憧れでもあり、私の懐かし自販機巡りの原点ともいえる自販機だ」
10位「トーストサンド自販機」
「1975年に登場したトーストサンド自販機はハンバーガー自販機よりはマイナーな存在で、1980年までに約300台が製造された。規模の大きめなオートレストランやゲームセンターなどで稼働していた。専用の厚めのアルミ箔に包装された商品が、自販機内の電熱ヒーターでこんがりとプレスされてやけどしそうな熱さのトーストサンドが40秒ほどで出てくる。とろけるチーズやハムなどがサンドされていて、シンプルだがおいしい。
現在では各地で16台が生存しているが、新潟県燕市の『ホテル公楽園』では80年代の激渋な雰囲気そのままのゲームセンターにこの自販機などが置かれ、ビールのつまみに熱いトーストサンドを楽しむことが出来る」
9位「川鉄めん類自動調理販売機」
「富士電機に先がけて1972年に登場したのが『川鉄のめん類自動調理販売機』で1980年までになんと9000台が製造された。一番の特徴である湯切り機構の方式が、富士電機の回転式とは違い器ごと傾けて湯切りする傾斜式となっていて、具が飛び散ることのないジェントルなものだった。最盛期には駅、空港や大手企業の社員食堂などにまで設置され、オートレストランやゲームセンターなどでも定番だった。
中身は各自販機で味も違い、またうどんの出汁などは東西でも味の文化の違いがそのまま反映されていた。現在では10台以下まで激減し絶滅の危機に瀕している。京都府舞鶴市の『ドライブインダルマ』では3台の川鉄機が並んで稼働する圧倒的な光景を現在でも体験することが出来る」
8位「かき氷自販機」
「コインを入れてボタンを押すと目の前で豪快に氷を削り、カップから溢れだすまでその勢いは止まらない。最後にシロップがかかって完成。なんでも自販機にしてしまう昭和の日本人開発者魂には脱帽だ。海の家の前やオートレストランなどによく置かれていた。現在稼働しているものは神奈川県相模原市の『中古タイヤ市場 相模原店 自販機コーナー』に一台あるのみとなっている」
「笑福亭仁鶴の顔がとても目立つのがボンカレー自販機。プラスチックの弁当容器に入ったライスとレトルトカレーがセットになってポトリと落ちてくる。自販機内は60℃以上に保温されていて温かいカレーライスが24時間食べられる。自分でレトルトパックの封を切ってご飯にかける。味は普通にレトルトカレー、しかしライスの種類や炊き加減は置いてある店ごとに違い、遠出の時などに食べると旅情も加わり普段よりおいしく感じられたものだった。現在は全国で3台ほどが稼働するのみとなっている」
6位「川鉄カレー自販機」
「ボンカレー自販機よりさらにレアなのが川鉄カレー自販機。皿に盛り付けられたライスは自販機の中で蒸気によって保温され、内蔵のカッターがレトルトパックの封を切り皿の上に盛り付けて出てくるというギミックの凝ったものだった。管理していた方の話によると定期的にカッターの刃を研ぐのが大変だったそうだ。島根県出雲市の『コインレストラン コウラン』に最後の一台が稼働していたが現在は故障中だとか……」
5位「ブリックパック自販機」
「イラストの謎のお姉さんがレトロでかわいいブリックパックの自販機。1980年代にそれまで瓶入りで紙キャップが主流だった乳製品の紙パック化が始まった。森永ピクニックや明治ブリックパックといった人気商品も登場した。飲料の自販機は新旧の入れ替わりがとても激しいがブリックパック専用のこの自販機はかなり珍しい。当時、渋谷区にあった東京都児童会館でよく飲んでいた思い出がありとても懐かしい。現在では日本で1ヶ所だけ神奈川県相模原市の『中古タイヤ市場相模原店 自販機コーナー』で現役稼働中だ」
4位「噴水ジュース自販機」
「1970年代後半、新宿辺りの当時華やかだったデパートの最上階のレストラン街でこの自販機を見たことがある。機械の上には大きな透明容器が載り、中から常にジュースが噴水のように出ている。なぜ噴水にしているのかは最大の謎であるが、見た目のインパクトは強烈だった。10円粉ジュースのようなチープな味が懐かしい。現在では最後の一台が島根県大田市で春と秋の年に2回だけある祭り『彼岸市』の時だけ『さんべ食品工業』の店先にお目見えする」
3位「弁当自販機」
「茨城県稲敷市の国道51号沿いに、看板も無い物置のような謎のプレハブ小屋がある。知らない人ならこれが店とは気づかないほどだ。中に入るとそこは昭和から時間が止まったままの空間だった。古びた自販機と卓上ゲーム機だけの殺風景な自販機コーナー、その正式名は『あらいやオートコーナー』。この店の主役は1970年代から50年近く使い込まれたボロボロの弁当自販機だ。全国でも数台しか残っていないツガミ製の自販機は手作りの弁当を約60℃で保存し、300円を入れボタンを押すとドサッと取り出し口に落ちてくる。その風格のある見た目とは裏腹に出てきた弁当は丁寧にパックされて清潔だ。とんかつ弁当や焼肉弁当などがあり素朴に旨い! そのギャップが最高にクールだ」
2位「シャープ製生めん調理自動販売機」
「2012年に埼玉県深谷市の『CityBoy』というゲーセンが閉店したのを最後に絶滅してしまったシャープ製のめん類自販機。特徴は富士電機の回転式とも川鉄の傾斜式とも違う3D湯切りとも言うべき独特のものだった。回転しながら更に傾斜も加わり、温めつつ麺をほぐすという凝った機構だったが、実際はあまり湯切りが上手ではなかったと管理している方から聞いたことがある。複雑な機構のため修理も難しく、他より早く消えていったのかもしれない」
1位「みそ汁自販機」
「日本人のご飯のおともみそ汁。この身近な飲み物もやはりとっくの昔に自販機化されていた! 最盛期は1980年代で各地のオートレストランなどで稼働していた。郷愁溢れるデザインのパネルが堪らないレトロ感のみそ汁自販機は、粉末味噌がお湯とともにカップに注がれるシンプルな機構だが、機械が動作する様子は昭和の近未来感に溢れている。茨城県神栖市の『ドライブイン丸昇』に最後の一台が稼働していたが2012年に閉店し絶滅した。しかし2020年には近似機種が神奈川県相模原市の『中古タイヤ市場 自販機コーナー』で復活し稼働している」
※記事内で紹介したベスト30の写真(47枚)は、こちらよりまとめてご覧いただけます。
写真提供・魚谷祐介(Webサイト「懐かし自販機」)
(魚谷 祐介/Webオリジナル(特集班))
wを使う理由がわからない
が、有るなら「テトラパック自販機」も入らなきゃ
レンジの効き過ぎで石みたいに硬いのな
マックバーガーだろ
そうなの?
全然気づかなかった
マクドナルドに訴えられて名前変えたやん
生々しい欲棒おっとっと、欲望をマイルドにしてるんだろ。
田舎の方だしコンビニなんてろくに無かったから
帰りの楽しみは自販機スタンドと言うか10台くらい並べてるとこで
ラーメンとチーズを挟んだトーストを喰う。
同じタイミングでパトカーが来てて巡査二人と顔なじみになってた。
名古屋の某スト●ップ劇場の前だったけど。
冷凍は電気代などの問題もあってどうしても割高になるんだよ
コンビニや売店やファストフォード店があるならそっちで買ったほうが安くて美味いし
駅構内にも周囲にも何もないのに利用客が多くて待ち時間がそれなりにある駅
ならワンちゃんあるかな、それでもコンビニまで我慢でいいやってなろそうだが
不当判決だ!
マルシンマックは不滅なり!
楽しそうだな
グーテンバーガー知らん世代か
いつか買おうと思ってたのに
まあ本当はマックバーガーは俺が6歳くらいまでの時代で、
バリバリのグーテンバーガー世代だけどな。
人間が普通に手作りしているものを詰めて仕上げの加熱をして出すだけだから
事前に飲食店と大差ない手間がかかって飲食店と同等の物が出てくるのが
ロマンを欠くんだよな
やはり自販機と言ったら工場でパッケージングされた物が出てきてくれないと
その点でグーテンバーガーはよかった
レンジの偏り加減もならではの味わいを出してくれたよ
いつの間にか消えてたんだ。
マルシンなんだっけ?
子会社だな
マルシンマック
タバコの自販機なんか普通にたくさんあるよ
元タバコ屋だった店が店の前を塞ぐように自販機べて補充だけしている